地獄の境界線

1919年大正8年に祖母はこの世に生を受けた。この頃日本は第1次世界大戦直後で好景気に沸く一方物価高騰で庶民は苦しんでいた、そんな混沌とした時代だった。1926年大正15年5月24日十勝岳が噴火したそれにより泥流が発生した。祖母はいつもの様に畑仕事をしていたそうだ、地響きと共に噴煙が空に立ち昇る唖然と見ていたが誰かが「逃げろ!」と叫んだ。祖母も皆の逃げる方へ走って逃げた、ふと後ろを見ると土煙を上げて泥流が押し寄せて来ている。逃げ遅れて巻き込まれて居る人も見えたそうだ、祖母は必死になって走り続けた、命がけの鬼ごっこだ、少し小高い丘の上に避難すると泥流がその横を津波の様に流れて行った泥流の中からは人の断末魔がずっと聞こえていたそうだ。この後祖母は天涯孤独の身と成った。祖母にはつらい記憶だったであろう…一瞬で家族を全て失ったのだから。しかし祖母が生きたから私が居る、祖母の生きる執念が、私をこの世に繋ぎとめている。祖母は本当に優しかった、私の事を愛してくれた…「私は祖母の傷を癒す事が出来ただろうか?」せめてブログに刻もう…そう思った。

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