斜面舞踏会

 今日は曇り、低気通過のせいか雲は空の高い所を流れ、暖かい風が頬を撫でる


今日の仕事は草刈だ、草の伸びるのが早い事...人間も負ける生命力だ


たんぽぽ、牧草、イグサ、_____東京のスクランブル交差点並みに密集している


刈払機の丸刃の取り付けを点検する、これが緩むと命取りだ


周りを確認して、チョークを引き、リコイルスタターを引く


__エンジン一発始動


自分で言うのも何だが、整備をきちんとしていると、機械は応えてくれる


__草を刈り始める、斜面の一番下から刈っていく


草の匂いが、排気ガスの匂いと混じる


私は、必ず斜面は一番低い所から刈って行く、そうする事で草が塊になり刃に絡む事が少なくなるからだ


草に恨みは無いが、根こそぎ刈り払う、草の植生を感じてアクセルを調節する。


段々とリズムに乗って来る。


私には、草刈のステップがある


足は、肩幅に開いて、一歩踏み出す時は「両足を一度揃える」、そう、スキーの「シュテムターン」をする時見たいに足を引き付ける


これをする事で、斜面での転倒確率が格段に減る


一歩では無く半歩づつ前へ刈進む


1・2・3、1・2・3、ラッタタ、ラッタタ...


リズムに乗るが、周りへの注意は怠らない、安全第一だ


私は、機械とダンスを踊る


休憩時間に成り、刈払機を肩から下す


頑張ってくれた刈払機は日陰へ、私は斜面にドサッと尻をつき水筒の麦茶を飲む


風が吹き抜けて、草の香り…気持ちが良い


刈った斜面を眺める…。


「よし!」気合を入れて再びエンジンを掛ける


__相棒の手を取りダンスを始める。








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