父の米を味わうあの日
米を買いにスパーへ行く
私は「ゆめぴりか」一択だ…しかし値段が上がったままだ
「北海道米は猫も食わない」と言われていた時代が在った
この米は、北海道米農家の夢そのものだ
____私の父も米農家だった
米農家の1年(実家)を何回かに分けて紹介したい
【3月:凍える寒さの中での始動】
ビニールハウス(以下ハウス)を準備するための、雪かきから始まる
まだ、雪の残る中半袖で雪かきをする父、除雪機など無かった
4棟のハウスを準備する
ビニールを張る、結構な重さだ、これを皺がよらない様にクリップとハウスバンドで止めていく
この時に緩く止めると父に怒られた
土の準備
パレットに入れる土を作る為に、ハウス内の土を乾燥させる
ハウスに入ると土の香りにむせかえる
気温が上がれば内側の水滴が雨みたいに落ちて来る
乾燥した土を、回転する「ふるいの機械」に入れて行く、すると細かい土が下に落ちる
それをハウスの中に10山ぐらい作る
ハウスを出ると温度差で、風邪を引きそうになる
種もみの準備
種もみ(稲の種)を、10トンぐらい入る水槽の中に漬ける(1週間ぐらい)その水も綺麗な水を使わないともみが腐ってしまう
水に沈んだもみだけ使う、2~3割のもみが使えない
その水は、手が切れるほど冷たかった
【4月:命を育む、家族の総力戦】
稲の苗(以下苗)を育てるパレットをハウスに運ぶ
父がトラクターで納屋から運び、残りの家族でパレットを持ち上げハウスの中に運び入れる(1棟100枚ほど)
黙々と運ぶ
ハウスの中にもみまき機械を入れて、パレットにもみを蒔く
土は手作業で入れる
発芽するまで、さらにビニールシート(薄くて透明、で多孔質)で覆う
それから、朝、昼、夕...毎日、張りつめた、温度管理と水やりが続く
____しばらくして、手塩にかけた、「緑の命」が一斉に芽吹く、絨毯の様に綺麗で光っている
父はその時初めて「笑顔」を見せる
「…まずまずだな」ぽつりと言う
5月には、田植えが始まる_____。(続く)
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