父の背中と夕暮れと

 【8月:稲の穂/戦う者の詩】

地面が焼ける季節も落ち着き、稲は「出穂」する


月初めには、賑やかななお祭りが在り、お盆へと季節は移ろう


秋の足音がそこまで来ている、ときおりキリギリスや鈴虫が鳴く


水戸を閉め、水田から水が無くなる


稲は1日だけ花を咲かせる(受粉)、この日が穏やかだと沢山の米を結ぶ


この時の花は本当に神秘的で美しい


4㎜ほどの、小さな__小さな粒に、農家は命を掛ける


墓参りの休日が終わると、畔の草刈がまた始まる


ある日、父が夕方に、タオルを首から下げて水田を見る


稲が風にそよぎ、「ありがとう」とサラサラ揺れ始める


蛙と秋の虫の合唱が始まる___父の白シャツも茜色に染まる


其処には、戦う者の後ろ姿が在った







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