命を掛ける男たち

 祖父と父は相撲が大好きだ


普段、寡黙な二人だが相撲を見ている時だけは声を上げる


「よし!」__「いいぞ!」__「がんばれ!」__。


それなので、夕食の時はテレビを消すことが無かった私の実家


祖母はよく私だけにこう言った「テレビを見ながら食べるのは行儀の悪い事だからね」と


それでも、祖父と父は夕食を食べながら相撲に夢中だった


母が言う「早く食べて下さい。」




令和8年5月24日千秋楽 若隆景VS霧島 優勝決定戦にもつれ込んだ


緊迫する国技館の空気、両力士の眼光からも命がけで勝負に挑むオーラが伝わって来る


「待った無し!」


国技館が静寂に包まれる


両者が両手を付く


「ドスン!!!」激しくぶつかる音


「のこった__のこつた、のこった!!!」


逃げも、変化も無いガチンコ勝負だ


両者は死に物狂いで戦う


わずかに、若隆景が優勢で勝った


私は、手を叩き涙をぬぐった


敗者と勝者、残酷だが__これが勝負の世界、私はテレビ画面の霧島にも拍手を送った


「よくやった!」


天を仰ぐ若隆景、目が潤んでいる様にも見えた___。


インタビューで「子供達との約束(優勝してね)を果たすことが出来た」と言っていた


後日ニュースで若隆景の父がこう言っていた「4年間は、長かっただろう、しかし負けて終わる性格ではないと信じてた」と___。


家族の思いにも胸が熱くなる


「兄弟パレード」本当に良かった__本当に良かった、私も嬉しい



祖父、父、私__この3人でこの優勝決定戦を見ていたら、どうなっていただろう?


私は山を見上げた。







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