戦友の心の美しさを知った時

前職の後輩にYと言う男が居た


私は、このYが大嫌いだった


私より1つ下の後輩で、背が高い


ロン毛で、しかも顔がイケメン


社内の女性からは、モテモテだった


入社したての頃は、私が仕事の事で注意しても、上の空で聞いているよなそぶりだった


「____ムカつく」


それから、数年して結婚した…しかし2年で離婚した


内心「ざまー見ろ」そんな風に思って居た


それから、数年して、違う部署に配属と成った


Yはそれから、メキメキと頭角を現し私より偉くなった


____30歳を越えた頃、Yは「汎発性脱毛症」で全身の毛が抜け落ちてしまった


久しぶりに逢い、その容姿にビックリして「どうした?」と話しかけた


ロビーの椅子に腰かけ話を聞いた


「あんなに優秀で美形なヤツがこうなってしまったのか…。」


それから、私生活での付き合いがちょくちょく始まり


食事や飲みにも行った


Yの希望で、私の部署へ舞い戻って来た時はすでに「バツ2」だった


「先輩、俺って結婚向いてないんですかね」


「…。」


「まあ、そのうち良い事が在るって、前向きに行こうぜ」とは言った物の


Yの心中は察するに痛かった


それから、2人で修羅場を潜り抜けて来た、残業も何時間したか分からないほどだ


___それから歳月が光の様に流れ…私は定年となった


Yが私を見送る時の代表で「万歳三唱」を買って出てくれた


「バンザーイ!__バンザーイ!__バンザーイ!__」


苦労した事が、走馬灯の様に心に浮かんだ


突然、Yが私にハグしてきた


「先輩、長い間お世話に成りました」耳元でそう言われた


私は、一気に涙と鼻水があふれ出しYを抱きしめた


「お前は最高の男だ、俺には敵わない」そう言った


まさか、定年の日に、後輩に泣かされると思いもしなかった


今、Yは母親と2人で暮らしてる事を風のうわさで聞いた


あの時2人で撮ったスマホの画像を見ると、少し目頭が熱くなる。










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