原風景/人情のある強かな暮らし

 幼い頃、祖母とよく買い物に行った


駄菓子屋(酒屋)で、10円ガムが買ってもらえるからだ


その日も、祖母の買い物について行き「鮮魚店(魚屋)」へ行った


その晩は来客があるらしく、お酒と刺身を買いに出た


店は、実家から歩いて15分ほどだ


水田が続く一本道を歩き、駅裏を通るすると商店街が現れる


最初は、酒屋に寄る、私はいつもの様に駄菓子を祖母にねだる


祖母は、一升瓶と10円ガムを買う


祖母が店の奥さんと話をしている___私は次に来た時に何を買おうか駄菓子をじーっと見る


「また来ますね」


「ありがとうございました」


次は、魚屋へ行く


祖母が平べったい竹ざるに入った、刺身を見て迷っている


少し上等なマグロが在るが、柵売りだ


祖母は店主に聞く「このマグロの柵を量り売りしてくれない?」


店主も困った顔で「んーー、奥さんこれ、今日のマグロで一番上等なんでこれ以上の切り売りは出来ないんですわ!!」


祖母が迷っている時に後ろから「奥さん?」女の人が声を掛けて来た


「奥さん?このマグロ私と半分にしません?」


そう話しかけて来た女性は見たことが無い人だった


私は、祖母のエプロンを掴み後ろへ隠れた


早速、店主に半分にして2つの包みにしてもらう


そうして、2人は世間話をし始めた


私は、つまらなそうに竹ざるに入っている魚の名前を見ていた


そうして、祖母と女性は財布を取り出しお金を渡しあっていた


サンマ2匹が入った袋を女の人からもらった


祖母と帰路に着く


祖母は、風呂敷に包んだ一升瓶を重そうに肩から掛けて歩く


私は、魚の入った籠バッグを両手で持つて祖母の横を歩く


「あの人知り合いなの?」


「いや、全然知らない人」


「そうなんだ、ふーん__」


台所で割烹着を着た祖母が客人の食事(夕食)の支度をする


私は、祖母の後ろ姿を見ながら、空に成ったガムの箱の残り香を確かめた。





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