しょっぱくて甘い浴衣とファンタ
年配の方は御存知と思うが…祖母の部屋から”竹の物差し(竹尺)”が出て来た。
私が、小学生の頃その竹尺を使い"浴衣”を縫ってくれた
トンボの柄の良い生地だった…
私は嬉しくて、早速出来上がったばかりの浴衣を着て、駅前の”盆踊り”へ出掛けた
しかし…友達連中は、皆短パンにTシャツだった
友達からは「浴衣がダサい…」とか言われて、良い笑い者になってしまった
私は、恥ずかしく成り、駅のトイレの近くでしゃがみ込んでいた
やがて___子供の時間が終わり…大人の盆踊りが始まった…。
すると…どうだろう、大人達は皆”浴衣”を着ているではないか!
私は嬉しく成り、大人の輪に入り”盆踊り”を踊った。
___取り巻きの中に母の顔が見えた…帰りが遅い私を心配して迎えに来たのだ
…私は、母を見つけると走って行きエプロンに抱き着いた
涙がポロポロこぼれて来て…友達にバカにされた事を泣きながら話した
「家に帰って、ファンタでも飲むかい?」と母は優しく微笑んだ
母と手を繋いでの帰り道…
盆踊りの音楽が少しづつ遠く_小さくなり…鈴虫だけの闇と成って行く…
実家の水田を流れる水の音が私を迎えてくれる
私は、取り敢えず”竹尺”を自宅に持ち帰り、机の上に置いた…
「久しぶりに浴衣でも着てみるか」と思い箪笥の奥から出した
皺がよって居たので、ハンガーで吊るして…浴衣を眺めた。
灯

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