アイスノンが無かった時代に

 皆さんは”水枕”をご存知だろうか?


昨日、夜中に目を覚ますと…その水枕の匂いがしたような気がした


+++


子供の頃良く熱を出した…風邪なのか、子供の頃は結構な高熱が出た…


その、度に母が水枕を準備する


ゴムので出来た茶色い枕に水と氷を入れる…そして…銀色の金具で蓋を閉める


夜中…母は必ず12時頃に水枕を換えてくれた


寝ぼけて、熱が在る私は…あまり記憶が無いが、ゴムの匂いだけが記憶に刻まれる…


3日が過ぎ…元気に成ってくるとそのゴムの匂いが気に成り、普段の枕を使っていると


「まだ、少し熱が在るから…ちゃんと冷やさなきゃだめ!」と母に怒られたものだった


熱が下がり学校へ行く事となる…熱が出ている時はあんなに「早く治れ!」と思い続けたのに…いざ治ると学校に行くのがいやになって居た…。


それを、察したのか母がこちらを見て「早く行かないと遅刻するよ!」と言う…


渋々、家を出ると眩しい太陽が照り付ける…軒下には水枕がぶら下がっている…。


+++


私は、それから気になって、何故夜中に水枕のゴム臭い匂いがしたのか考えた


が、特に何も思い当たらなかった


まぁ、人間の不思議な所で…記憶の奥底で何かのスイッチが入ったのだろう


そう思う事にした


あの頃…母の看病が当たり前だと思って居た____今…母に感謝する。










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